盛川 川口橋上流
昭和15年頃 フィルム6×4.5cm

盛川は初代が幼い頃から慣れ親しんだ川で乾板、フィルム問わず比較的多くの写真が遺されています。この写真はその中でも数少ない、戦前の撮影と思われるもので、シロウオ漁の様子を記録したものです。
この漁は産卵のため汽水域に遡上するシロウオを網や梁(やな)を使って捕る漁で、その土地ならではの知恵と工夫が凝らされた、個性的な漁が日本各地で行われているようです。あらためてこの写真を観察してみると、網の形や足場の造りなど、素人目にも他の地域にはない特徴があるように思えます。
竹竿の先に吊られた、四角錘状の骨格とその底面に張られた網。二列に打ち込まれた杭の間に積まれた石と、その上に渡された、足場となる板。これらは陸続きになっているようにも見えます。
細長く入り組んだ大船渡湾の奥に位置する盛川河口域には、かつては干潟が広がっていたそうです。写真に記録されたシロウオ漁もまた、盛川特有の風土の中で育まれていた漁法なのではないか――。そして、これを二枚に記録した祖父は、この営みが消えゆくものである事を予感していたのではないか。
漁師と、カメラを構える初代の姿を想像しながら、そんな思いがこみ上げてきます。









盛川に思い出のある方、盛川のシロウオ漁についてご存じの方はぜひお話をお聞かせください。本記録の拡大画像では他地域で行われているシロウオ漁を参考に、盛川の漁法において特徴的と思われる部分を取り上げています。この漁法について詳しい方からのご感想もお待ちしております。
参考文献
- 川島秀一「シロウオ漁の生活誌」『いのちの海と暮らす―日本の沿岸漁業民俗誌』、株式会社冨山房インターナショナル 2022年
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